2016年02月24日

古い戸籍が読めない

当事務所では、個人のお客様の案件については、相続問題を多く取り扱っていることもあり、戸籍を収集することが頻繁にあります。

例えば、遺産分割協議の際には、相続人を確定しなければならず、亡くなった方(被相続人)の生まれてから亡くなるまでの戸籍を収集します。
死亡時の戸籍には、被相続人の全ての情報が載っているわけではないためです。

例えば、生まれてから亡くなるまでの戸籍を調べてみると、認知している子供がいるなど、家族が知らなかった事実が分かることがあり、その場合、その子供を抜きに遺産分割協議をすることは出来ないことになります。


さて、最近の戸籍はコンピューター化されているため、読むことに苦労することはありませんが、遡って、生まれたときまでの戸籍を収集していくと、手書きの古い戸籍が出てきます。

また、そもそも、相当昔に亡くなった方の相続手続きを放置していて、最近になって手続きを行うという場合もあり、その場合も、かなり昔の戸籍(家制度時代の戸籍)を収集することになります。

手書きの戸籍を読み解くことは、非常に手間のかかる作業で、何が書かれているのか判断が付かないこともあります。
楷書体で丁寧に記載されていればよいのですが、草書体で書かれていることが多く、とても苦労します。

ほとんどの場合は、何とか読むことが出来、また、読めなくても事件の解決には影響しない場合も多いのですが、場合によっては無視することが出来ず、作業が進まないこともあります。

最近、当事務所では、中国上海で亡くなった日本人の方の相続手続きについてご相談やご依頼を受けることがあり、現在も複数件担当していますが、具体的には、上海の銀行や公証処(日本の公証役場に相当)に提出するため、戸籍を収集し、中国語に翻訳した上で、日本国内の公証役場などで手続きをすることがあります。


翻訳の前提として日本語を正確に読み解かなければなりませんが、それが難しい場合があるのです。
中国語への翻訳の前に、そもそも日本語が読めないのです。


この問題は、法律の問題ではなく、草書体が読めるかどうかという問題なので、習字の経験がある方に協力を依頼すればすぐに解決する問題なのかもしれません。

古い戸籍を読んだことがある方は皆さん苦労されていることだと思うので、役所の側で何とか解決してくれてもいいのではと、常々思ってしまいます。




白土文也法律事務所は、遺言・相続などの個人の法律問題、中小企業・ベンチャー企業の法律問題を中心に取り扱っております。
調布市・稲城市・多摩市・府中市・狛江市・三鷹市など多摩地域・京王線京王相模原線沿線、世田谷区・杉並区その他の東京23区、川崎市その他の神奈川、埼玉、千葉、茨城県、栃木県、群馬県などからの法律相談を受け付けております。
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posted by bunya-shirato at 17:48| 弁護士の仕事

2016年01月23日

配偶者と死別した場合の姻族関係終了届・復氏届と相続権・扶養義務など

離婚した場合、婚姻したことで姓が変わった配偶者は、旧姓に戻る(復氏)ことが原則です(民法767条1項)。
もし、婚姻中の姓を継続したいのであれば、離婚から3ヶ月以内に届出をしなければなりません(民法767条2項)。

また、婚姻したことにより配偶者の親族との間で生じていた姻族関係は当然に終了することになります(民法728条1項)。

そして、離婚すれば、その後は配偶者ではないため、推定相続人ではなくなり、元配偶者が亡くなったとしても、相続権は有しません。



以上が離婚した場合の法律関係ですが、死別した場合は、以下のとおりになります。

まず、配偶者と死別したとしても、当然に旧姓に戻るということはなく、復氏する場合は、復氏届(民法751条)をしなければなりません。
離婚の場合は、旧姓に戻るのが原則で、婚姻中の姓を名乗り続ける場合は、3ヶ月以内に届出をする必要がありますが、それとは原則が逆になります。
なお、離婚の場合は、届出に3ヶ月の期限がありますが、死別した場合の復氏届に期限はありません。

次に、姻族関係についてですが、配偶者と死別しても当然には終了せず、姻族関係を終了したい場合は、姻族関係終了届をする必要があります(民法728条2項)。

そして、復氏届をして旧姓に戻ったとしても、それだけでは姻族関係が終了しませんので、その点は、注意が必要です。

また、姻族関係を終了させたとしても、亡くなった配偶者の相続人であることは変わりなく、届出により相続権を失うことはありません。



ところで、旧姓に戻すだけであれば、姻族関係終了届をせずとも、復氏届をすれば足りますので、わざわざ姻族関係終了届をする法的な意味はどこにあるのでしょうか。

結論から言うと、扶養義務が無くなるという点にあります。


民法877条1項
「直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある。」
2項  
「家庭裁判所は、特別の事情があるときは、前項に規定する場合のほか、三親等内の親族間においても扶養の義務を負わせることができる。」


配偶者と死別したとしても、姻族関係にあり続ける以上、場合によっては、扶養義務を負うことがあるのです。
何らかの事情により、そのような関係を解消しておきたいという場合は、姻族関係終了届をしておくことが大切です。




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posted by bunya-shirato at 18:46| 親族関係