2015年09月06日

遺産分割調停の進め方について

1 遺産分割調停の進め方にはルールがある

遺産分割調停の進め方には一定のルールがあります。

当事者としては、ルールを知らないこともあり、調停委員に何でも話をしよう、話せば調停委員は自分の味方として動いてくれるはず、と思いがちです。

確かに、相続人間の話し合いが上手くいかなかったために、遺産分割調停に至っているわけですから、相手方の過去の言動や人格など含めて不満をぶつけたくなる気持ちは分かりますし、裁判所に出向くこと自体初めての方がほとんどですから、何を話せばいいのか分からないのは当然で、理解できないわけではありません。

しかし、遺産分割調停は、不満をぶつける場ではなく、その目的は、相続開始時に存在した被相続人の財産を相続人間で分けることです。
その目的を無駄なく効率的に達成するために、家庭裁判所は試行錯誤を重ね、一定のルールで運用されるようになっています。

そのため、遺産分割の本筋から外れることについては、調停委員はある程度は話を聞いてくれるものの、いつまでも付き合ってくれることはなく、遺産分割調停ではなく別の場でやって下さいということになります。



2 遺産分割調停の具体的な進め方

東京家庭裁判所家事第5部の資料によれば、以下のような順序で進行します。
※は私の補足

相続人の範囲
※誰が相続人か確認します

  ↓

遺産の範囲
※遺言書に記載されている財産や分割協議済みの財産は対象外です。また、預金の使途不明金について争いになることは多いですが、相続人の一人が無断で使ったという場合、それは損害賠償請求または不当利得返還請求として訴訟の問題になります。つまり、原則として、遺産分割調停で話し合う問題ではないということです。

  ↓

遺産の評価
※不動産など金銭評価が必要な財産について評価をします。

  ↓

各相続人の取得額
※法定相続分又は指定相続分により取得額が決まりますが、特別受益や寄与分がある場合は、相続分が修正されます。

  ↓

遺産分割の方法
※現物分割、代償分割、換価分割等の方法で、実際の分け方を決めることになります。

  ↓
  
調停成立


以上の流れで遺産分割調停は進められることになりますが、重要なことは、上記以外のことは原則として遺産分割調停では行わないということ、また、各段階で合意が出来なければ次の段階に進むことは出来ず、逆に、次の段階に進んだら前の段階には戻らないということです。
  
このように順を追って問題を解決することで、効率的な運営が可能になるのです。
実際、家庭裁判所・調停委員の努力により、遺産分割調停は、以前は1年半以上かかっていたのに対し、現在では、1年以内に終結するようになっています。


今日は、遺産分割調停の進め方の概要についてご紹介致しました。




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posted by bunya-shirato at 09:08| 遺産分割調停