2015年08月02日

不動産の共有とは

法律相談で共有の説明をすることは多いですが、多くの方が共有について誤解しているので、共有の基本的な解説をしたいと思います。

なお、共有は、不動産に限りませんが、共有状態は不動産について生じていることが多いため、不動産の共有を例に挙げて説明致します。


1 共有とは

まず、共有の定義ですが、「複数の者が1つの物に対して、一定の割合(持分)で所有権を持つこと」(民法概論A物権 川井健)とされています。

この定義から分かるとおり、共有は、一定の割合という制約はあるものの、複数の者が1つの物に対して所有権(他の共有者の持分の制約を受けており、「持分権」と呼ばれています)を有している状態です。


また、

民法249条「各共有者は、共有物の全部について、その持分に応じた使用をすることができる。」

と定められているとおり、各共有者は共有物の全部を使用することが出来ます。

例えば、ある土地について、Aが60% Bが40%で共有している場合、AとBは、いずれも、その土地の全部について権利を有しており、全部を使用することが出来るのです。



2 よくある誤解

この点、

「東側の60%をAが、西側の40%をBが有している」
「Bが使用できるのは40%の部分だけ」

というように、土地の特定の部分を特定の共有者が有している、あるいは持分の割合に応じた面積のみ使用できるものと誤解している方が多い印象を受けます。

しかし、土地の特定の部分を特定の者が有している、あるいは、持分の割合に応じた面積のみ使用できる(共有者間の協議でそのような取り決めをすることは構いません)という状態は、もはや共有ではなく、共有物分割の結果、一人で特定の部分の所有権を有している状態と言えます。
  
つまり、ある土地について共有状態にあるということは、その土地の中の特定の部分をある共有者が所有し、残りの部分を別の共有者が所有しているという状態ではなく、共有者それぞれが、土地の全部に対して権利を有し、使用することが可能な状態だということです。

そして、もし、土地の特定の部分を他の共有者の持分の制約を受けずに所有し、使用したいということであれば、共有者間で共有物分割をすればいいのです。
共有物分割の結果、共有状態は解消し、単独所有の状態になります。


今回は、共有について最も誤解されている点について説明致しました。
次回以降も、共有の解説をしていきたいと思います。



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posted by bunya-shirato at 10:30| 不動産