2015年07月05日

遺言書を自分で作成するのは簡単ではない

1 遺言書作成件数の増加

最近は、遺言書を作成する方が増えています。

日本公証人連合会が公表しているデータによれば、公正証書遺言の作成件数は、この10年間でほぼ毎年増加しており、

 平成17年・・・69,831件

 平成26年・・・104,490件

となっており、昨年はついに10万件を超えています。

もちろん、それ以外に、自筆証書遺言を作成している方もいます。
自筆証書遺言は遺言者自身が作成・管理しているため、実数は把握できませんが、自筆証書遺言で相続が発生した場合に必要になる「検認」手続きの件数も、毎年増加傾向にあります。

このように、遺言書を作成する方は毎年増えていることが分かります。

実際、遺言書を作成することで相続トラブルを回避することが可能なケースもありますので、多くの方に遺言書の作成を検討してもらいたいというのが、私の弁護士としての思いでもあります。



2 遺言書を自分で作成するのは難しい

遺言書は自分で作成出来るという記事を目にすることもありますので、専門家に頼らず自ら作成しようと思う方も多いと思います。

しかし、遺言書の作成は、一般の方が思っているより難しいのが現実です。


例えば、

・残された相続人らが遺産分割協議をすることのないように遺言書を作成したにもかかわらず、財産に記載漏れがあったため、結局遺産分割協議が必要になってしまうケース

財産の特定の仕方が不十分だったため登記手続きが出来ないケース

・「遺贈する」「相続させる」の法的な言葉の意味を理解せずに書いたため、意図しない民法上の効果、登記手続き、税額になってしまったケース

・相続人間の紛争を防止するために、遺言書を作成しようと思ったにもかかわらず、遺留分を侵害する内容になっていた場合、遺言書が原因で紛争になるケース

・その他、誰に何を相続させるのかによって、相続税額が変わってきますし、自筆遺言証書の場合は、方式に不備があることでそもそも無効とされることもあります。


以上のとおり、遺言書を作成する際に注意しなければならないことは多々あります。



3 遺言書作成は契約書作成と同じ

弁護士が作成する場合には、依頼者の望んでいる内容を実現するため、かつ、将来の紛争を防止するために、ご家庭の事情を十分に聞き取り、戸籍や財産に関する資料を収集し、様々な角度から検討を重ねます(そのため、遺言書作成費用が、定型的なものであっても、一般的に、10万円〜20万円程度してしまうのです)。

ちなみに、公証役場で相談するから弁護士に相談しないという方も多いと思いますが、公証役場に持ち込む段階で原案を決めておく必要がありますし、方式の不備はともかく、ご家庭の事情や相続税対策などを綿密に検討してくれることはありませんので、弁護士など専門家に相談するメリットは大きいはずです。


最後に、遺言書は法的効果を発生させるものです。

いわゆる「遺書」「エンディングノート」などとは全く異なります。
法的効果を発生させるという点で、契約書の作成と同じということを十分理解した上で作成すべきです。

残されたご家族を不幸にしないためにも、弁護士などの専門家に相談することをお勧めいたします。



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posted by bunya-shirato at 10:30| 相続(遺言書)