2015年06月07日

本当に相続放棄しましたか?遺産分割で財産を取得しない場合と相続放棄の違い

1 民法の定め

相続放棄については民法で次のように定められています。
「相続の放棄をした者は、その相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなす。」(民法939条)。

相続放棄をすると具体的にどのようなことになるのでしょうか?

相続放棄をすると、「初めから」相続人ではないことになるので、例えば、相続開始があったことを知った時から3ヶ月以内(民法915条1項)の期限ぎりぎりで相続放棄をしたとしても、効果は、相続開始の時点まで遡り、相続開始のときから相続人でなかったものとみなされます。



2 相続放棄の具体的な意味

より具体的な意味を理解するために、遺産分割と比較して説明します。

勘違いされることが多いのですが、遺産分割の結果として財産を取得しなかった場合と、相続放棄は全く異なります。

まず、遺産分割協議の場合です。

例えば、法定相続人AさんとBさんが、現物分割をして、Aさんが全ての財産を取得し、Bさんは何も取得しなかったとします。
これは、AさんとBさんが法定相続人であることを前提にして、遺産分割協議を行い、その結果、Bさんは遺産を取得しなかったということです。

一方、上記の例で、例えば、Bさんが相続放棄をした場合、Bさんは初めから相続人ではなく、遺産分割協議をした結果財産を取得しなかったわけではありません。そもそも相続人ではないのです。

そして、特に重要な違いは、債務を相続するか否かという点です。
遺産分割の結果として遺産を取得しない場合は、相続人であることには変わりないため、そのままでは被相続人が負担していた債務を相続することになります。

一方、相続放棄の場合は、遺産分割によって遺産を取得しなかったということではなく、初めから相続人ではないわけですから、債務を相続することはありません。



3 日常用語との違いに注意

まずは、この点を十分に理解すべきですが、理解していないため、遺産分割で財産を取得しなかったことを相続放棄と勘違いされている方もいます。
日常用語として使われている「相続放棄」は、遺産分割協議の結果、財産を何も取得しなかったという意味で使われているように思います。
手続きをせずに3ヵ月間という期限が過ぎてしまうと、原則として相続放棄は出来なくなり、債務を負ってしまうことになりますので、要注意です。

今日は、相続放棄の基本的知識について解説致しました。



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posted by bunya-shirato at 08:08| 相続