2015年05月31日

民事事件は和解で終わることが多い

1 訴訟が判決で終局する割合

前回は、民事訴訟の第一審は、大体8〜9ヶ月くらいで終わるという話をしましたが、その内、どの程度が判決で終わるかご存知でしょうか?

訴訟になった以上は、全て判決で終わると思っている方もいるかもしれません。
しかし、実際には、民事第一審訴訟事件の内、判決で終わるのは、最高裁が平成25年7月に公表した「裁判の迅速化に係る検証結果」によれば、

41.5%

過払い金返還請求事件を除くと、

51%

でした。
※平成24年の数字。


つまり、半分程度しか判決は出ていないのです。



2 訴訟が和解で終局する割合

では、判決以外では、どのような形で訴訟は終了しているのでしょうか。

和解によって終了した割合は、

34.1%

過払い金返還請求事件を除くと、

34.3%

となっています。

また、判決と和解以外は、取り下げなどで終了しています。
取り下げをすれば、訴訟がなかったことになりますが、実際には、訴訟を行っている当事者間で、訴訟外で話し合いが付き、それに基づいて取り下げる場合が多いので、多くは和解で終わったと考えることが出来ます。


つまり、判決が下されるのは、4割〜5割程度、3分の1以上は、訴訟上の和解で終了していることになり、訴訟外で和解を成立させ取り下げで終了しているものも合わせれば、約半分が和解で終了していることになります。


また、判決で終了している事件の中には、相手方が裁判所に出頭せずに終了している、いわゆる欠席判決の訴訟もあり、判決で終了している事件全体からその数を除くと、訴訟上の和解で終了した事件の方が多い状況です。

つまり、民事事件の第一審について言えば、双方が裁判所に出頭した事件の内、多くの事件が、和解(または訴えの取下げ)により解決に至っているというのが実情です。
(ちなみに、控訴審になると、和解で終わることは少なくなります。)


3 和解のメリット

ところで、和解による解決は相手に対する譲歩を伴うため、感情的に相手を許せない状況になっている場合、和解をしたくないという当事者が多いのも確かです。

しかし、判決は、訴えた内容(例えば、「建物を明け渡せ」という内容。訴訟物と言います。)が認められるか、認められないかという結論が出るだけなので、柔軟性に欠けます。

一方、和解の場合は、訴えた内容以外に様々な条件を付したり、第三者を関与させることも可能であり、判決よりも柔軟な形で、紛争の全体を一回的に解決することが可能です。

また、その他にも、早期解決の実現や、実際に履行が行われる可能性が高いなどのメリットもあるとされています。

紛争解決ということを第一に考えれば、判決に拘らず、和解が適している場合も多いのです。


今回も裁判についてお話致しました。



白土文也法律事務所は、遺言・相続などの個人の法律問題、中小企業・ベンチャー企業の法律問題を中心に取り扱っております。
調布・稲城・多摩・府中・狛江・三鷹など多摩地域・京王線京王相模原線沿線、世田谷区・杉並区その他の東京23区、川崎市その他の神奈川、埼玉、千葉、茨城県その他の関東各地からの法律相談を受け付けております。
※特に、出身地の水戸・ひたちなか市周辺へは出張相談も積極的に行ないます。
詳しくはこちらまで
http://www.shirato-law.com/
posted by bunya-shirato at 09:28| 裁判の話