2015年05月10日

離婚後の相続・親権を失っても子は相続人

1 親族関係の変動

以前、法定相続人を確定することが難しいという話をしましたが、原因の一つに、婚姻・離婚・縁組・離縁・死亡などによる親族関係の変動があげられます。

今回は、そのうちの離婚した場合の相続について解説致したいと思います。


2 離婚すると相続できない

夫婦が離婚した場合、それ以降は、配偶者でなくなるため、元夫、元妻が亡くなっても、相続することは出来ません。

被相続人が亡くなったその時点で離婚していれば、たとえ亡くなるほんの少し前まで婚姻関係にあったとしても、たとえ何十年間も夫婦であったとしても、相続することは出来ないのです。

もちろん、夫婦で築いた財産があれば、離婚に際して財産分与により財産を取得することは可能ですから、夫婦であったことが全く評価されないというわけではありません。あくまで相続権はないということです。

以上は、元夫婦間の相続についての基本的な知識です。


3 子の相続権

それでは、たとえば、離婚した夫婦の間に子がいて、元妻が親権者、元夫は親権を失った場合で、元夫が亡くなったとしたら、子は元夫を相続するのでしょうか?

結論から言うと、子は元夫を相続します
理由は、離婚したとしても、それはあくまで夫婦間の身分関係に変動があるに過ぎず、親子の身分関係には変わりはないためです。


4 養子縁組

では、同じ事例で、元妻が再婚し、子が元妻の再婚相手と養子縁組をした場合はどうでしょうか?

日本の養子縁組には、普通養子縁組特別養子縁組の2種類あります。

普通養子縁組は、養子縁組することで新たな親子関係が発生するものの、実の親子関係が消滅するわけではなく、二重に親子関係が存在することになります。

そのため、先の例で普通養子縁組がなされたとしても、子は元夫を相続することになりますし、もし、養親がなくなれば、養親をも相続することになるのです。

一方、特別養子縁組とは、新たな親子関係を発生させるだけでなく、実親との親子関係を消滅させる制度ですので、相続はしません。

ちなみに、日本では、養子縁組のほとんどが普通養子縁組ですから、離婚後再婚して、子も養子縁組をしたからといって、元夫が亡くなった場合に、子が相続できないと勘違いしないように注意すべきです。


最後に触れておくと、当然の話ですが、離婚後再婚するのは、親権を取得した元妻だけではありません。元夫が新たな家庭を築く可能性もあるわけで、その場合は、元妻との間の子と、元夫の再婚相手及び再婚相手の子との間での争族に発展する可能性があります。これも、人が原因で相続が争族になるケースの一つです。


今日は、離婚後の相続関係について解説しました。





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posted by bunya-shirato at 11:39| 相続