2015年04月19日

相続が争族になる場合(家督相続という考え)

1 人が原因で争族になる場合

以前、財産のほとんどが不動産の場合は、争族になりやすいという話をしました。
これは、財産が分けづらいために争族になる場合ですが、人が原因で争族になることもあります。

いろいろとありますが、まずは、相続に対する考え方の違いが原因になる場合についてお話します。



2 家督相続と現行民法

現行の民法では、相続人である子供たちの間に法定相続分の違いはなく、平等です。

※嫡出子と非嫡出子間には法定相続分に差がありましたが、最高裁の違憲判決後、民法が改正されて平等とされています。ただし、改正民法は、平成25年9月5日以後に開始した相続について適用されます。

例えば、父親が亡くなり、母親と長男・次男・長女が相続人の場合、法定相続分は、母親が2分の1、長男・次男・長女は、それぞれ6分の1ずつ、母親がすでに亡くなっている場合は、長男・次男・長女それぞれが3分の1ずつということになります。

このように現行の民法では、子供たちの間に相続分の差はなく、家を継ぐ者が単独で相続するという扱いにはなっていません。
 
しかし、法律の定めとは異なり、長男が家を継ぐべき、遺産の多くは家を継ぐ長男が相続すべき、という考えを持たれている方もいらっしゃいます。

戦前は、家督相続の制度があり、長男が単独で相続していました。その影響で、法律が変わった現在でも、ご高齢の方や地域によっては、このような考えを持たれている方もいます。

また、被相続人だけでなく、相続する側の子供、具体的には、長男が、家督相続的な考えを持っている場合もあり、その場合は、争族になる可能性が極めて高くなります。



3 長男対その他の兄弟姉妹

長男が家を継ぐという考えは、日本においては、長い間続いてきた考えであり、そのような考えがダメということではありません。
しかし、法律の定めはあくまでも平等とされており、長男が遺産を独り占めしようと思っても、長男以外の兄弟姉妹は、平等に分けることを主張してきますし、それは法律上当然の権利です。

家を継ぐのは自分であり、単独で相続するという考えにこだわる場合、そもそも話し合いにならないこともあり、この場合、相続人間の遺産分割協議ではまとまりませんので、家庭裁判所での調停を利用して解決を図らざるを得ないことになります。
  
私が経験した案件でも、このようなケースがありますし、場合によっては、遺言を無視して長男が独占しようとするケースもあります。

このように、そもそもの考えが異なる場合は、財産が分割しづらいことが原因で争族になる場合よりも、人の考えに起因する問題ですから、話し合いによる解決は難しくなる傾向にあります。




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posted by bunya-shirato at 11:26| 相続