2015年02月22日

相続が争族になる場合(二世帯住宅による節税と争族)

相続税対策のために、二世帯住宅を検討する方も多いのではないでしょうか。

 まず、二世帯住宅がなぜ相続税対策になるのか、簡単に説明します。
 小規模宅地等の特例という制度をご存知でしょうか。

 この特例が適用されるケースは様々ですが、例えば、母親が自宅の土地建物を所有しており、その建物にお子さんと同居していたとします。その後、母親が亡くなり、同居していたお子さんがその土地を相続し、相続税の申告期限(母親が亡くなったことを知った日の翌日から10カ月以内)まで、建物に住み続け、かつ、土地を保有し続けた場合、特例が適用されることになります。

 特例が適用されると、このケースの場合、その土地の評価は8割減になります(平成27年1月1日以降の相続の場合は面積330uまで、それ以前の相続の場合は面積240uまでが減額対象です)。
 例えば、特例の適用がない場合、3,000万円の相続税評価額の土地が、特例が適用されると、8割減額されて、600万円になるわけです。

 そして、平成25年の法改正により、今まで対象外であった構造上区分されている二世帯住宅についても、区分所有登記をされているものを除いて、特例が適用されることになりました。
 つまり、単に二世帯が同居というわけでなく、玄関が別々の二世帯住宅を建てて住んでいる場合でも特例が適用されることになり、相続税対策として活用出来るようになったのです。

 ごくごく概要だけ説明しましたが、以上の通り、相続税対策の観点からすれば、二世帯住宅は、有効な手段になります。

 もっとも、ここからが重要な点ですが、忘れてはならないことは、以前のブログでも書いたとおり、自宅の土地建物以外にめぼしい財産がない場合、争族になりやすいということです。

 特に、お子さんが複数いる場合、十分な話し合いをせずに、相続税対策という理由で二世帯住宅を建て、お子さんのうちの誰かと一緒に住み始めてしまうと、同居していたお子さんとその他のお子さんとの間で争族になる可能性が出てきます。
 相続税対策で有効なことがそのまま争族対策になるわけではありません。
 十分な検討をせずに相続税対策をすると、争族の原因を作ってしまうこともあるのです。
相続対策は、争族対策、節税対策、納税資金の確保のいずれの観点も忘れてはなりませんので、十分気を付けて頂きたいと思います。

※小規模宅地等の特例の適用要件は非常に複雑ですので、検討する際には税理士・弁護士などの専門家にご相談ください。



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posted by bunya-shirato at 17:02| 相続