2015年01月25日

相続が争族になる場合(不動産の評価の争い)

前回、自宅以外にめぼしい財産がない場合についてお話を致しました。
被相続人と同居していた相続人が、不動産の売却を望まず、また、他の相続人に対して代償金を支払うことが出来ないため、遺産分割が進まないというケースでした。

ところで、この事例で、代償金を用意出来る場合、揉めることがないのでしょうか。
実は、代償金を支払うことが可能な場合であっても、揉めることがあります。

なぜなら、不動産の評価額について合意が出来ないと代償金の額が決まらないためです。
遺産分割を行う際の不動産の評価は、相続税評価額ではなく、時価ですが、時価といってもはっきりしないため、争いになるのです。

例えば、遺産分割調停の場では、相続人それぞれが複数の不動産業者の査定をもらい、その平均値を元にして協議することが多いのですが、相続人それぞれの立場から自らに有利な査定が出てくることも多く、価額に開きがある場合は、合意が困難になります。

代償金を支払う立場からは、不動産の評価額が低い方が望ましく、一方で、代償金を取得する立場からは、不動産の評価額が高い方が望ましいのです。
中立の立場の不動産鑑定士に鑑定を行ってもらえば争いにならないとも思えますが、不動産鑑定士への報酬が必要であることや、不利な結果になることを嫌い、今度は、不動産鑑定士に鑑定を依頼することを巡って争いになるのです。

以上の通り、代償金を支払える場合でも、不動産の評価を巡って争いになる可能性があるのです。不動産という遺産の性質が原因となる争族の一つです。




posted by bunya-shirato at 11:54| 相続